第12回「いいね!働き方コーデのオトナ診断」~大学教授が力説する労働者が働きやすい社会とは~

更新日:2018/10/22

第十二回「いいね!働き方コーデのオトナ診断」
日本の働き方に異論!?大学教授が語る既存の労働環境の問題点
~大学教授が力説する労働者が働きやすい社会とは~

仕事に価値(メリット)を提供する「JobMerit」のワークコンシェルジュとして働く
ジョブメリさんが、イマドキの若者の働き方についてさまざまなタイプの大人達と
議論を交わす「いいね!働き方コーデのオトナ診断」。

第12回は某有名私立大学で、労働環境について研究している高橋先生。
講演会の後に、少しお時間をもらって働き方について意見交換をした際の話です。
高橋先生は学生と学校と企業が、もっと有機的に絡んでいく社会を作らないと
働きやすい労働環境を築けないと語ります。
インターネットサービス会社の派遣社員である山田くんに対しては
「仕事における生産性と創造性」を磨くことの大切さを説きました。

「仕事熱心」と「仕事中毒」の境界線とは?

ジョブメリさん:
講演後のお疲れのところ、お時間いただきありがとうございます。
今日は高橋先生が日々研究している、労働環境についてお話を伺いたいと思います。
日本は仕事を生きがいにしている勤勉な人が多い印象を受けますが、実際のところはいかがでしょうか?

雇用について研究する高橋先生:
確かに日本人の勤勉さは大きな武器の1つで、この国を経済大国に成長させたのは
先人たちの努力の賜物だと言っても過言ではないと思います。
しかし、見方を変えると「日本人で仕事好きな方」は意外と少ないのではないでしょうか?

ジョブメリさん:
確かにそう言われると……。日本人は生真面目で仕事ばかりしている印象ですが、
「今の仕事が大好きです」と答えられる人はそこまで多くないかもしれません。
もちろん、そういう前向きな働き人もたくさんいますが、どちらかというと
「日々、仕事に追われている」タイプの人が多い気がします。

雇用について研究する高橋先生:
ジョブメリさんのおっしゃる通りで、日本人は好きで長時間働いている人はそこまで多くない印象です。
必要に迫られて、苦しみながらも歯を食いしばって、頑張って働いている人が大半な気がします。
「仕事熱心」と言えば聞こえはいいですが、仕事に打ち込むあまり家庭や自身の健康を顧みない
ワーカーホリックな人、つまり「仕事中毒」な人が多いのではないでしょうか?

ジョブメリさん:
実際、日本はワーカーホリックな人よって支えられてきたところはありますよね。
しかし、政府の働き方改革によって長時間労働の是正や、ワーク・ライフ・バランスの改善が
求められるようになって以来、少しずつ社会も変わり始めているのではないでしょうか?
私が仕事で関わっている、インターネットサービス会社の派遣社員としてアプリのデータ更新の仕事を
している山田くんは、自分の時間をきちんと確保しつつ、自身の将来に向けて資格の勉強にも励んでいます。

雇用について研究する高橋先生:
それは働き方の1つの正解だと私は考えています。なぜならば、自身に与えられている、
会社から求められているタスクをこなすことだけが仕事ではないからです。
いわゆる仕事中毒の会社人間と呼ばれる人たちは、ベクトルが会社に向きすぎています。
それは決して悪いことではありませんが、心身ともにワーカー本人への負担が大きいと言えます。
つぶれないためにはバランスが非常に重要です。その点では、山田くんは仕事熱心でありつつも、
将来への投資もできているなど、バランスを重視した働き方ができているのではないでしょうか?

ジョブメリさん:
確かに山田くんは、現状に迷いつつも自分の意思で勉強をしていますし、融通が利きやすい
派遣社員として経験を積んでいるのも彼本人の選択です。
仕事に関する考え方という意味では、山田くんも相当に仕事熱心な人だと言えるかもしれませんね。

雇用について研究する高橋先生:
私もそう思います。会社から与えられる仕事をこなすことに熱心になり過ぎて、
自分を見失い、ワーカーホリックになってしまう人をたくさん見てきました。
仕事というのは単に“作業量”の多さが大切なのではなく、自身が仕事に
どう取り組むのかを考える“思考量”が肝になると思います。
だからこそ私は「考えて働く人」がこれからの社会では評価される人材であり、仕事熱心な人だと考えています。

仕事は生産性と創造性を軸に評価されるべき

ジョブメリさん:
“思考量”は確かに重要ですね。高度経済成長期やバブル経済期とは異なり、とにかくガムシャラに
頑張れば報われるという時代ではありませんからね。
成果を挙げたり、成長を遂げたりするために何をすればいいのかを考えられる人物を社会は必要とするはずです。
そういう意味では山田くんはまだ若いながら、同性代よりも考える習慣が身についていると思います。

雇用について研究する高橋先生:
それは素晴らしいことですね。日本人は集団を意識するあまり、自分の考えで行動したり
意見したりできる人が少ない傾向にあります。
「出る杭は打たれる」ではありませんが、尖った意見を持った人を毛嫌いする文化が昔はありました。
しかし、働き方の多様化が求められる現代では、そうしたエッジが効いた考え方ができる人こそ
大成すると考えています。山田くんには自分の信念を曲げずに、これからも自分の思考を磨き続けてほしいです。

ジョブメリさん:
そうですね!では反対に山田くんがもっと身につけるべき能力はどんなところでしょうか?
ちなみに仕事とは無関係ですが、プライベートはかなりインドアで、1人で休日を過ごすことも多いようで。
恋愛系も最近は浮ついた話は全然ないようです。

雇用について研究する高橋先生:
プライベートと仕事はリンクすることが多いので、山田くんにはもう少しアクティブになってもらいたいですね。
人の恋愛に口を出そうとは思いませんが、プライベートの行動量や熱量が上がると、
仕事も好循環になることがあると、私は思いますよ。
身につけるべき能力に関しては、山田くんだけではなく、現代の若者には仕事において
「生産性」と「創造性」を意識してもらいたいと考えています。

ジョブメリさん:
「生産性」と「創造性」とは具体的にどのようなことでしょうか?

雇用について研究する高橋先生:
私が考える「生産性」とは、高い成果を効果的に短時間で出すことです。
また、「創造性」とは他の人にはない価値を生むということです。
その2つを兼ね備えていれば、これからの時代においても、どの会社でも必要とされる
高いエンプロイアビリティを保持することができると考えています。
新しい価値を効果的に短時間で生み出せる人がいたら、そんな人材を見過ごす会社なんてありませんよね。

ジョブメリさん:
確かに新しい価値を効果的に短時間で生み出せる人は確実に評価されるでしょうね。
ただ、それは天才的な頭脳を持った人や、とてつもなく仕事ができる人に限定される話ではないでしょうか?
一般人にはハードルが高いというか、「それができたら苦労しない!」といった反論が聞こえそうですが。

雇用について研究する高橋先生:
決してそんなことはありません。大切なのは頭の良さではなく、いかに考えているかということ、
つまり思考量です。特別に頭が良い人でなくても、新しい価値を効果的に短時間で生み出すことを
真剣に考えることで、結果は大きく変わってくるでしょう。
発明が大ヒットして、ロイヤリティ収入を得ている主婦発明家などは、そうした思考量の多さが
新たなアイデアを生む典型例です。主婦の方はいかに時短で楽に家事をこなせるかと、常に考えて
工夫していて、そのことが発明につながっています。

私は仕事においても、その発想をすべてのワーカーが磨くべきだと考えています。
もちろんそれは、山田くんも例外ではありません。
山田くんはちょっと硬派なイメージがあるので、柔軟な発想をするためにはもっと
プライベートも華やかにする必要があるかもしれないですね。
「よく学び、よく遊ぶ」ことは、学生だけでなく社会人にとっても重要だと私は考えています。
もちろん、「よく遊んで」いるときも、リフレッシュしつつ、「考える」ことは止めないのですよ。

他者のカバーがあってこその自由な働き方

ジョブメリさん:
やはり高橋先生の話は論理的というか、アカデミックですね。
山田くんに勇気を与える言葉をたくさんいただけた気がします。
それは公私共に(笑)。ちなみに先ほど効率的に働く話に少し触れましたが、
日本人は諸外国に比べて、長期休みを取る機会が少ない点についても話をお聞きしたいです。
有給休暇の取得率が低い原因も仕事中毒の人が多いからでしょうか?

雇用について研究する高橋先生:
そうですね。個人が仕事をこなすことに注力してしまい、タスクが終わらず、
なかなか休みを取れないというのは現実的にあると思います。
ただし、それは個人の問題だけでなく、社会全体が有給休暇を取得することに対して
寛容になる必要があると私は考えます。

ジョブメリさん:
それは社会全体が「有給休暇をもっと取るべきだ」と考えるようになることを意味しますか?

雇用について研究する高橋先生:
いいえ。少しニュアンスが異なります。
私が言いたいのは、「他の人が休むことで自分がこうむる負担や、不便さをちゃんと受け入れる
働き方に対する考え」が必要だということです。
誰かが長期的に休むということは、その負担を誰かが長期的に被ることになるのを忘れてはいけません。

ジョブメリさん:
確かにそうですよね。日本人でも「外国は休みがたくさんあっていいな」という声はたくさん聞きますが、
休みの間に周囲がどのように仕事をカバーしているかなどに興味のある人はほとんどいません。
メリットばかりではなく、デメリットもきちんと受け入れないと社会として成り立たないということですね。

雇用について研究する高橋先生:
その通りです!「ヨーロッパで1ヶ月休暇がとれるのはいいよね」という人に限って
他の人の休暇に伴う仕事のカバーを嫌がります。
また、自分の行きつけの店が長期休暇に入ると文句を言うものです。
そういった懐の狭さというか、寛容性のなさを教育で改善していく必要がありますね。
社会全体が良くなるように、1人ひとりが考えて行動する世の中にしていけば、
労働環境は今よりも良くなると私は考えています。

ジョブメリさん:
高橋先生の言っていることは、当たり前のようでなかなか気づけない話ばかりですね。
山田くんにも自身の仕事の質を高めることはもちろんですが、他者の働き方にも
寛容になることが大切だと伝えておきますね。山田くんはまだ自分のことで精一杯のようなので(笑)。
後は他人に興味を持って、もっとプライベートでもアクティブになるようにと!

雇用について研究する高橋先生:
若いうちは色んなことを経験し、いろんな角度から考える癖をつけるといいですね!
山田くんには自分にも周囲にも妥協しないビジネスマンになってもらいたい。
そうした仕事ができて周囲のことを考えられる人が増えれば増えるほど、
社会もきっと良い方向に変化していくでしょう。

【今回のまとめ】
・「仕事熱心」と「仕事中毒」は似て非なるものである。
・新しい価値を効果的に短時間で生み出すために、思考量を増やすことが重要。
・休みを含めて働くことの自由には、常に他者のカバーが付き物なこと。

【登場人物】
ジョブメリさん:JCSで働くお仕事アドバイザー。

山田くん:23歳、新卒でSIerに就職するもすぐに退職。現在は派遣社員としてインターネットサービス会社で
     アプリのデータ更新の仕事をしている。人生に迷いながらも将来を見据えて資格の勉強に励んでいる。

高橋さん:某有名私立大学で労働環境について研究している。日本社会に定着してしまった教育や就職活動の
     構造に異を唱えることで、よりワーカーにとって働きやすい社会を創造することを夢見ている。

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