第16回「いいね!働き方コーデのオトナ診断」~ブラック企業では「正社員=安泰」は成立しない~

更新日:2018/11/28

第十六回「いいね!働き方コーデのオトナ診断」
IT系のブラック企業で働くプログラマーの苦悩
~ブラック企業では「正社員=安泰」は成立しない~

仕事に価値(メリット)を提供する「Job Merit」のワークコンシェルジュとして
働くジョブメリさんが、イマドキの若者の働き方についてさまざまな職種の人と
議論を交わす企画「いいね!働き方コーデのオトナ診断」。
第16回は、俗に言うブラック企業で身を粉にして働いているプログラマーの安東さんに
雇用のあり方について尋ねた際の話です。仕事漬けの毎日を過ごしている安東さんの目には、
インターネットサービス会社で派遣社員として働く山田くんが"賢い働き方"をしているように映っているようです。

正規雇用にのしかかる職責の重さ

ジョブメリさん:
本日もお仕事でお疲れのところ、お時間いただきありがとうございます。
だいぶ寝不足のようですが、体調は大丈夫でしょうか?

IT系ブラック企業のプログラマー・安東さん:
疲れ果ててはいますが、これがいつものことなのでね(笑)。すっかり慣れてしまいました。
うちは長時間労働の是正が叫ばれる時代において、取り残された"ド・ベンチャー"な会社なので、
未だに月に数回は徹夜して作業することも当たり前にありますよ……。

ジョブメリさん:
そうなんですか……。じゃあ、今日は20時に待ち合わせだったので、
いつもよりだいぶ早いお帰りだったのですね。お忙しいところ本当に申し訳ございません。

IT系ブラック企業のプログラマー・安東さん:
いえいえ、全然いいんですよ!自分としては良い気晴らしになっています。
今日もこの後、また会社に戻って作業の続きをするつもりなので、ジョブメリさんと
お話ししている間だけでも少し気分転換させてもらおうと思っています(笑)。

ジョブメリさん:
え!?今日もこれから戻ってまた仕事をするんですか?勤務体系はどうなっているんですか?
質問だらけになって申し訳ないのですが、業務を代わりに請け負ってくれる人はいないんですか?

IT系ブラック企業のプログラマー・安東さん:
代わりがいたらこんな苦労はしていませんよ。実は私、30歳までアルバイト生活をしていまして。
ちょうどそのタイミングで親が体調を崩して倒れたので、「いつまでも頼ってはいられない」と
やっとちゃんとした職に就く決心がついたのです。そこから職業訓練校に通ってプログラミングを学びました。

ただ、経験のない30歳の新人を受け入れてくれる企業は限られていて……。
やっと正社員として採用してくれたのが今の会社なのですが、絵に描いたようなブラック企業だったのです。
自分が内定をもらえたのも、前任者が急に会社に来なくなったから急遽穴埋めが必要になったかららしく、
入社初日から激務が続いています。ただ、仕事がないよりましなので、歯を食いしばって働いています。
私が働かないと会社の業務の流れがストップしてしまうので、その責任感だけで気力を振り絞っている毎日です。

ジョブメリさん:
なるほど。そういう経緯があったのですね。あまりにも壮絶過ぎて言葉を失ってしまいそうです。
ただ、その勤務体系は明らかに労働基準法に違反していますよね?
そんな無理をしていたら、安東さんの体がもたないですよ!
さすがに転職を考えた方がいいのではないでしょうか?

IT系ブラック企業のプログラマー・安東さん:
転職はもちろん考えたことはありますが、やはり雇ってもらった恩義を感じているので、
ちょっとやそっとでは音を上げられないというのが本音ですね。
前任者と同じように自分も逃げ出したら、会社に迷惑をかけてしまうので。
正社員として働くということは、きちんと自分の仕事に責任を持たなければいけないということを学びました。
職責を果たして会社に貢献できていることだけが、今の自分の生き甲斐なのです。

企業の仕事に依存することによる弊害

ジョブメリさん:
安東さんの考え方はよくわかりました。ただ、そこまで自分を犠牲にする必要はないのでは?
今の職責を全うできるくらいなので、プログラマーとしての実力もある程度の水準に達していると思われます。
逃げるのはよくありませんが、冷静に自分のスキルを棚卸して、、、
仮に正規雇用にこだわらなければ、派遣社員などでもっと労働条件の良い職場で働くことも可能かと。

私はインターネットサービス会社で派遣社員として働く、山田くんという若手の方の
担当をしているのですが、日々の仕事に精を出しつつも、勤務後に自分のやりたい
勉強をする時間もある比較的余裕のある生活を送っていますよ!
非正規雇用として働くことで安東さんの新たな可能性が見つかるかもしれません!

IT系ブラック企業のプログラマー・安東さん:
そうですね。確かに「何が何でも正社員で」と思って就職活動をしていましたが、
実際に社会に飛び込んでみるとその生活が安泰というわけではないですね。
ブラック企業の正社員で仕事漬けの生活になると、ここまで明るい未来を描けないものなのかと……。
その山田くんは、今の生活が幸せなんでしょうか?

ジョブメリさん:
幸せかどうかと聞かれると……ちょっと答えに困りますね。
山田くんは山田くんで自分の人生を模索中で、もがきながらも未来を見据えて頑張っています。
ただ、1つ言えるのは順風満帆ではありませんが、未来に対して常に希望を持っています。
意外と野心家のところはあるので、「将来大成するぞ」という気概が見えます。

IT系ブラック企業のプログラマー・安東さん:
なるほど。わかりました。まあ、今は私よりも給料はもらってはいないかもしれませんが、
山田くんには未来がありそうですね。非正規雇用でも目的を持って行動している人は、
将来的に何かを変えることができると思っています。
その反面、私のように毎日、流されるままに働いていても、残るのは手取りだけでしょう。

ジョブメリさん:
安東さんもさまざまな事情があるかと思いますが、企業に依存するのは良くないかと思います。
"社畜"という過激な言葉がありますが、労働者は企業に良いように使われる駒になってはいけないと考えています。総務省統計局の「平成26年経済センサス‐基礎調査」によると日本の企業数は410万社です。
終身雇用が崩壊しつつある現代において、1つの企業にこだわり続ける必要はなくなってきています。
安東さんにとっての選択肢も思いのほか多いのではないでしょうか?

IT系ブラック企業のプログラマー・安東さん:
確かに今までの私には、外の世界を見るという視点が欠けていたかもしれません。
また、山田くんのように派遣社員として無理なく働きつつ、空き時間に自分の技能を磨く
という選択肢も悪くはないのかもしれません。
「隣の芝生は青く見える」だけだ、という言葉を信じて、これまで頑張ってきましたが、
本当に隣の芝生が青いこともあるのかもしれませんね。

ジョブメリさん:
そうですよ!きっと今の会社の良いところもいっぱいあるのかとは思いますが、
現状の勤務体系は見逃すことができるレベルではないです。
すぐにとは言いませんが、体を壊してしまってからではなく今のうちから今後を考えた方が良いと思います。

IT系ブラック企業のプログラマー・安東さん:
そうですね。まだ30代のうちは無理できたとしても、今後40代、50代と年を重ねた際に
同じように働けるとは到底思えません。
今までは「弱音を吐かずに頑張ろう」と常に自分に言い聞かせてきましたが、
初めてですが、自分の今後のことを上司に相談してみたいと思います。

非正規でホワイト企業を渡り歩くのも1つの手

ジョブメリさん:
安東さんが別の視点での考え方もきちんと受け入れてくれて、すごく嬉しいです!
もちろん、今の会社で年単位でちゃんとがんばったからこその”次”が考えられるのです。
フリーターのままや正社員がブラックだったからといってすぐ辞めてしまっていたら
”次”に向かうための材料も持てませんからね。
正社員として働ける転職先を探すのも1つの選択肢ですし、非正規雇用でホワイト企業を
渡り歩くのも1つの手だと言えますよ。

IT系ブラック企業のプログラマー・安東さん:
そうですね。これまで仕事に追われてここ1~2年はプライベートを完全に犠牲にしてきました。
ですから、30代中盤を迎えても独り身で目ぼしい相手すらいません。
仕事に追われているだけの人間は本当にモテませんからね、よほどの稼ぎでなければ。。
山田くんにもその辺はきちんと教えてあげてください(笑)。

ジョブメリさん:
まあ、安東さんはプライベートがまったくない状況なので、趣味や恋愛に
うつつを抜かしている暇はありませんでしたよね。
ただ、比較的時間の余裕を持って働けている山田くんも彼女はいないので、
その辺は意識の差で変わると思いますよ(笑)。だから安東さんも頑張ってください!

IT系ブラック企業のプログラマー・安東さん:
山田くんはそういうタイプなんですね。なんだか彼の働き方や考え方に少しずつ興味が湧いてきました!
良かったら今度、話をする機会を作ってもらえますか?
今日みたいに仕事終わりに軽く飲みながらなどでもいいので!

ジョブメリさん:
もちろん大丈夫です!山田くんにも多様な働き方を知ってもらうための良い機会になると思います。
ただねぇ、、安東さんは次にまたいつ時間をいただけそうでしょうか……?

IT系ブラック企業のプログラマー・安東さん:
そこが問題ですね。しまった!今日もこの後、職場に戻って残務をやらなければいけないんだった……。
ただ、こうした働き方を今後も続けていきたいとは思わないので、早急に上司に相談はしてみます。
どうなるかはわかりませんが、まずは冷静に、自分でアクションを起こすことが大切ですよね!

ジョブメリさん:
そうですよ!だんだん安東さんに元気が出てきた気がしてなんだか安心しました。
プラスして状況を打破するために自身で行動に移そうとしている点はさすがですね!
派遣社員など非正規雇用の方の場合、自身の立ち回りがうまくいかなくなると、
自己解決しようとせずに、他人や環境だけのせいにして現実から逃げようとするケースも少なくありません。
でもその点、安東さんはきちんと最後まで全うする姿勢が素晴らしいです!

今の会社で働き続けるにしても、辞めるにしても、非正規雇用としての働き方の道を選ぶとしても、
まずは将来どうなりたいかを見定めることが大切ですよ!
雇用形態にかかわらず、柔軟性を持って問題に取り組み、職責をきちんと果たすことは
社会人としての、そして雇用者の義務と言えます。
そして、正式な手続きのもとに自身のより働きやすい環境を手に入れるために、
自らアクションを起こすことが今の安東さんにおいては重要になるかと思います。

IT系ブラック企業のプログラマー・安東さん:
わかりました!ジョブメリさん!今日は素敵なお話を聞かせてくれてありがとうございました!
なんか活力が湧いてきたので、これからまた仕事が頑張れそうです。
山田くんにもよろしくお伝えください!それではまた!

ジョブメリさん:
あ!安東さん……また会社に向かって行ってしまった。
まあ、元気になってくれたのはいいけど、あんな調子で大丈夫なのでしょうか……。
無理が祟って取り返しがつかないことになる前に、どこかでブレーキをかけてもらいたいところですね。

【今回のまとめ】
・正規雇用がゆえにハードワークを強いられることもある。
・日本の企業数は410万社。その数だけ働く選択肢はある。
・非正規雇用で環境の良い職場を渡り歩くのも1つの働き方。

【登場人物】
ジョブメリさん:JCSで働くお仕事アドバイザー。

山田くん:23歳、新卒でSIerに就職するもすぐに退職。
     現在は派遣社員としてインターネットサービス会社でアプリのデータ更新の仕事をしている。
     人生に迷いながらも将来を見据えて資格の勉強に励んでいる。

安東さん:IT系のブラック企業で正社員として働くプログラマー。
     仕事に忙殺される日々を過ごしており、公私ともに負のスパイラルに陥りつつある。
     このままでは身がもたないので転職も視野に入れている。

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