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通訳者という仕事に興味があるものの、「年収はどれくらいなのかわからない......」という方は多いことでしょう。実際、通訳者の年収は、自身のスキルレベルや働き方、業界、対応領域など、さまざまな要因によって大きく変わるため、平均年収を示すことは困難です。
そこで本記事では、通訳者の年収の目安として、ジョブメリが過去に扱った実例をご紹介したうえで、年収アップのポイントも解説します。
なお、これから通訳者として働きたいという方は、まず企業に属して仕事をこなすインハウス通訳者を目指すのが一般的です。そのため、今回はインハウス通訳者の実例を中心にご紹介します。
通訳者とは

本題に入る前に、まずは通訳者という職業について見ていきましょう。
通訳者は、異なる言語を使う人同士が円滑にコミュニケーションを取るためのサポートを行います。話し手と聞き手の間に入り、その発言の内容を別の言語に変換し、伝える役割を担います。
翻訳家との違い
通訳者と似た仕事として、翻訳家が挙げられます。両者は元の言語を別の言語へ変換するという点で一致していますが、求められる役割が大きく異なります。
通訳者は、話し手の発言内容を別の言語に変換し、口頭で伝えるのが主な仕事です。スムーズなコミュニケーションを手助けするためにも、迅速かつ正確に伝える能力が必要です。
一方、翻訳家はビジネス文書や書籍、映像などに使用されている言語を、別の言語の文章へ変換します。内容を理解したうえで、細かなニュアンスまで伝わるように表現することが求められます。
通訳形式の種類
通訳形式の種類には、主に以下のようなものがあります。
通訳形式の種類
- 同時通訳
- 逐次(ちくじ)通訳
- ウィスパリング通訳
同時通訳
同時通訳は、話し手の言葉をリアルタイムで訳して聞き手に伝える仕事です。
国際会議やシンポジウムなどのさまざまな言語が使用される場で通訳を行います。話し手の言葉をほぼリアルタイムで訳出し、専用の通訳ブースや、パナガイドなどの簡易通訳機器、ウェビナーの場合はZoomなど会議ツールの同時通訳機能を使って、イヤホンを装着した多数の聞き手に伝えます。非常に高い集中力を必要とするため、複数名でチームを組み、15分の交代制で通訳を行うのが一般的です。
逐次(ちくじ)通訳
逐次通訳は、話し手が一定量発言したところで区切り、その内容を訳していく仕事です。主に、複数の言語を使用する講演会や商談、座談会などの場で用いられる手法です。
発言内容をきちんと整理し、正確に表現する力が求められます。
ウィスパリング通訳
ウィスパリング通訳は、通訳者が聞き手と同席して、訳した内容を耳元でささやくように伝える通訳方法です。同時通訳の一つとされており、異なる言語を使う参加者が少ない商談や打ち合わせなどで用いられる通訳形式です。質疑応答が発生するような場で、通訳者が1名の場合、訳出方向を日→英と英→日の両方を担当することがあるため、訳出方向を切り替えながら長時間集中して通訳するスキルが求められます。
通訳者の年収

ここからは、実例をもとに通訳者の年収を、雇用形態や業種などの詳細な情報とともに見ていきましょう。なお、今回は企業に属して働くインハウス通訳者の実例を中心にご紹介します。
通訳者の年収
- 実例①正社員:600万~700万円
- 実例②契約社員:850万~1,200万円
- 実例③派遣社員:700万円
- 実例④派遣社員:600万円
- 実例⑤派遣社員:570万円
- 実例⑥派遣社員(単発):80万円
- 実例⑦業務請負契約社員:384万円
実例①正社員:600万~700万円
実例①
| 雇用形態 | 正社員 |
| 勤務形態 | フルタイム |
| 業種 | 外食チェーン |
| 通訳レベル | 同時通訳(通訳機材使用) |
| 通訳歴 | 5年~ |
| 年収 | 600万~700万円 |
こちらは、外食チェーンを運営する企業に正社員として勤めている方の実例です。機材を使用した同時通訳を行っており、通訳者としてのキャリアは5年以上で、年収は600万~700万円程度です。
実例②契約社員:850万~1,200万円
実例②
| 雇用形態 | 契約社員 |
| 勤務形態 | フルタイム |
| 業種 | 広告代理店 |
| 通訳レベル | 同時通訳(通訳機材使用) ※経営層への対応あり |
| 通訳歴 | 5年~ |
| 年収 | 850万~1,200万円 |
こちらは、契約社員の通訳者として働く方の実例です。広告代理店に勤めており、通訳機材を用いた同時通訳を行っています。
通訳者としてのキャリアは5年以上です。経営層向けの通訳にも携わっていることから、年収は比較的高い水準です。
実例③派遣社員:700万円
実例③
| 雇用形態 | 派遣社員 |
| 勤務形態 | フルタイム |
| 業種 | 外資ITコンサル |
| 通訳レベル | 同時通訳(通訳機材使用・オンライン) |
| 通訳歴 | 5年~ |
| 年収 | 約700万円~(時給3,500円×8時間×21日×12か月) |
外資系のITコンサル企業に派遣社員として勤めている通訳者の実例です。通訳者には高度な語学力が求められることから、派遣社員の場合も時給の高い案件が多く見られます。
そのため、正社員と比べても遜色ない年収を得られる場合があります。
実例④派遣社員:600万円
実例④
| 雇用形態 | 派遣社員 |
| 勤務形態 | フルタイム |
| 業種 | 化粧品メーカー |
| 通訳レベル | ウィスパリング通訳(通訳機材なし) |
| 通訳歴 | 5年~ |
| 年収 | 約600万円~(時給3,000円×8時間×21日×12か月) |
こちらは、化粧品メーカーに勤める派遣社員の通訳者の実例です。ウィスパリング同時通訳を行っており、時給は3,000円となっています。
実例⑤派遣社員:570万円
実例⑤
| 雇用形態 | 派遣社員 |
| 勤務形態 | フルタイム |
| 業種 | ゲームメーカー |
| 通訳レベル | 逐次通訳(オンライン) |
| 通訳歴 | 2年~ |
| 年収 | 約570万円~(時給2,850円×8時間×21日×12か月) |
こちらは、逐次通訳の通訳者として働く方の実例です。通訳者としてのキャリアは2年以上と短いものの、ゲーム業界の知識を習得し、業界独特の仕事の進め方などにも対応することで正社員と同程度の年収が得られることもあります。
自身のスキルや携わる案件次第では、経験年数が短くても、高い年収が得られる可能性があります。
実例⑥派遣社員(単発):80万円
実例⑥
| 雇用形態 | 派遣社員 |
| 勤務形態 | 単発 |
| 業種 | 展示会 |
| 通訳レベル | 逐次通訳(オンサイト) |
| 通訳歴 | 1年~ |
| 年収 | 80万円~(時給2,500円×8時間×10日×4か月) |
こちらは、単発の案件をこなしている方の実例です。通訳者としての年収は80万円ですが、勤務日数が限られているため、本業やプライベートと両立しながら収入を得たい方に適した働き方といえます。
「本業の傍らで通訳を始めたい」「プライベートとの両立も目指したい」という方は、まず単発の案件を選択肢にするのも一つの手です。
実例⑦業務請負契約社員:384万円
実例⑦
| 雇用形態 | 業務請負契約社員 |
| 勤務形態 | 週2~3日勤務 |
| 業種 | 通信会社 |
| 通訳レベル | 同時通訳(通訳機材使用) |
| 通訳歴 | 5年~ |
| 年収 | 約380万円~(時給4,000円×8時間×10日×12か月) |
最後にご紹介するのは、業務請負契約社員の実例です。週2~3日の勤務で、年収は約380万円です。
自身のスキルや案件次第ではあるものの、プライベートの時間を大切にしたい方や、他の単発の仕事も請けてスキルアップしたい方にとっては、魅力的な働き方であるといえます。
通訳者の就職動向
通訳者は、海外との取引を行う企業や国際事業を展開する団体などで活躍しています。
正社員や契約社員として採用された場合は、自社の事業における通訳を担当するのが一般的です。そのため、自社の事業内容や業界について深く理解することが求められます。また、通訳だけでなく、翻訳や秘書、海外部門の業務などを兼任する求人もあるため、幅広いスキルを身につけることが大切です。
派遣社員の場合は、国際会議や商談、社内研修、外国人役員付き、外国人エンジニアが入るプロジェクトなど、通訳が必要な場面に応じて、短期から長期まで、さまざまな期間の案件を担当します。案件ごとに業界が異なる場合もあるため、必要な専門用語を事前に調べ、短期間で業務内容を理解する力が欠かせません。通訳の正確さや対応力が評価されれば、契約の更新や継続的な就業につながる可能性もあります。派遣社員のメリットとして、契約内容以外の仕事をする必要がありませんので、通訳業務のみ(一部翻訳業務は入ることが多い)に集中したい方にオススメです。
通訳者の年収に影響を与える要因
前述したように、通訳者の年収は、さまざまな要因によって変わります。年収に関わる要因には、以下のようなものが挙げられます。
通訳者の年収に影響を与える要因
- 個人のスキルレベル
- 勤務形態
- 業界
- 地域
このなかでも、年収にもっとも強く影響するのは個人のスキルレベルです。また、先述した実例の通り、勤務形態によって年収は大きく変わります。
日々の努力を怠らず、多くの経験を積むことが、通訳者として高い年収を得るための近道といえるでしょう。
通訳者が年収を上げるためにできること
通訳者が年収を上げるためには、以下のポイントを押さえておくことが重要です。
通訳者が年収を上げるためにできること
- スキルアップを図る
- レベルの高い実績を積む
- 専門性を向上させる
- 働き方を変える
スキルアップを図る
通訳者として高い年収を得るには、スキルアップに努めることが何よりも大切です。
英単語一つを取っても、現場では、話し手のアクセントや文脈によって、発音の聞こえ方や意味の捉え方が変わることが少なくありません。また、発言内容を正確に通訳する能力にくわえ、文化的背景や業界のトレンド、専門用語などへの理解も求められます。そのため、通訳者としてのキャリアを歩み始めてからも、日々の研さんが欠かせないのです。
スキルアップの具体的な方法については後述しますので、引き続きご覧ください。
レベルの高い実績を積む
高度な案件に対応した実績を積むことも、通訳者が年収を上げるために重視すべき項目の一つです。
通訳者には、言葉を単に訳すだけでなく、円滑なコミュニケーションをサポートする役割もあります。大きな責任を伴うため、より高い年収が得られる仕事に携わるには過去の実績が重要視されるのです。特に大手企業で活躍したい場合には、通訳者としてのレベルの高さを示せる実績が必要です。
通訳者としてのキャリアが短い方も、着実に実績を積み重ねていくことで、高収入が狙える仕事に携われる可能性が高まるでしょう。
専門性を向上させる
特定分野における専門性を高めることも、高年収を得るためのポイントです。特に国際政治・医療/医薬・法律・金融/会計・エネルギー開発のような分野の案件では、通訳者にも高度な専門知識が求められるため、高収入が期待できます。
通訳者はスキルや案件次第で高い年収を得られますが、さらなる高収入を目指す場合には、スキルレベルの向上や実績作りにくわえ、専門性の向上にも努めることが大切です。
働き方を変える
「通訳者として今よりも高い年収を目指したい!」という方は、雇用形態や勤務形態を変えてみるのもよいでしょう。先述した年収の実例を見てわかる通り、通訳者は、雇用形態を問わず、スキルや案件次第で高い年収を得られる可能性があります。
たとえ正社員であったとしても、より高い収入を得られる派遣の案件が見つかった場合には、そちらへ挑戦してみるのも一つの手です。業務をきちんとこなして信頼を獲得できれば、継続的に高収入の案件に携われるかもしれません。
通訳者としてスキルアップするためのポイント
高収入の通訳者を目指すには、スキルアップが不可欠です。ここでは、スキルアップに役立つポイントを解説します。
通訳者としてスキルアップするためのポイント
- 日常的に英語に触れる
- ニュースをチェックする
- 自身が通訳した内容を分析する
- 現場対応力を磨く
日常的に英語に触れる
スキルアップを図るには、意識的に英語を学習することが大切です。特にリスニング力の維持・向上は、通訳者のスキルアップに直結します。
リスニング力を向上させるには、動画を活用するのがおすすめです。ビジネスに関する動画や講演会などの映像を視聴し、話されている内容を自分で訳してみましょう。その後、字幕や原稿などと照らし合わせ、自分が正確に訳せているのかどうかを確認します。これにより、実際の現場をイメージしながらトレーニングに取り組むことが可能です。わからない単語や表現が登場した場合は、メモ帳に書き出すことで自身に足りていない部分を把握し、理解を深めることができます。
ただし、はじめからレベルの高いトレーニングを行うと、理解が追いつかず、モチベーションを維持できなくなるおそれがあります。自身の力をきちんと見極めたうえで、徐々に難易度を上げていくことが、スキルアップの秘訣です。
リスニング力の向上に向けたトレーニング方法については、以下の記事で詳しく解説しておりますので、あわせて参考にしてみてください。
「ベテラン通訳者直伝!リスニング力UPにおすすめのトレーニング法とは?」
ニュースをチェックする
ニュースに目を通し、世間の話題を把握しておくことも、通訳者のスキルアップにつながる方法の一つです。
通訳の現場では、会話の流れや話し手の判断によって、想定していなかった話題が出ることも少なくありません。通訳者はそうした内容もきちんと訳して聞き手に伝える必要があります。
冷静に対処するためには、常日頃から世間の話題に触れ、幅広い知識を身につけておくことが大切です。特に、自身が専門とする分野に関する最新情報はきちんと把握しておきましょう。また、自身の仕事に直接関係がないニュースや、普段は関心のない話題であっても、基本的な情報を押さえておくことで柔軟に対応できるようになります。
自身が通訳した内容を分析する
通訳者としてスキルアップするには、自身が通訳した内容を振り返り、改善点を分析することも大切です。具体的には、機械翻訳と自身の訳を比較し、単語の選び方や文章構成、内容の伝わりやすさを確認してみるのがおすすめです。近年はAIによる音声認識や翻訳の精度が高まっているため、より伝わりやすい表現を学べる可能性があります。
また、ほかの通訳者の訳し方と比べてみるのも効果的です。特に口語表現は、ネイティブには伝わっても、それ以外の人には理解できないケースが少なくありません。誰に向けて通訳するのかを意識しながら取り組むことで、自身が適切な表現を選べているのかをより正確に分析できます。
現場対応力を磨く
基本的なビジネスマナーや対人スキルなども、通訳者に求められるスキルに挙げられます。これらの現場対応力は、通訳者としての評価を大きく左右します。業務では、身だしなみを整え、現場で関わるすべての人に対して丁寧な対応を心がけることが大切です。
現場対応力に関する詳しい情報については、以下の記事も参考にしてみてください。
通訳者に求められるもの~現場対応力の磨き方
通訳者は未経験から目指せる?
通訳者は、未経験からでも目指せる職業です。ただし、業務を適切に遂行するためには高度な語学力が不可欠で、挑戦する際には、相応のスキルを持っていることが前提となります。また、先述したように通訳者として高い収入を得たい場合には、通訳技術の習得と実績作りが必要です。
これから通訳者として働きたいとお考えの方は、以下の記事もあわせて参考にしてみてください。
通訳者へのステップ~「通訳」の仕事をベテランコーディネーターが徹底解説~
通訳者の年収はスキルレベルや業界などのさまざまな要因で大きく異なる
通訳者とは、異なる言語を使用する人同士がコミュニケーションを取るためのサポートをする職業です。具体的な年収は、スキルレベルや働き方などのさまざまな要因によって異なります。また、年収アップを狙うには、スキルアップを図り、レベルの高い実績を積むことが重要です。
日々学習に努め、地道に実績を積んでいくことが、高収入の通訳者になるための鍵となります。
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